私は、学部卒業後6年間、民間の動物病院に勤務していました。いわゆる一次診療です。そこでは、フィライリア予防やワクチン、注射の仕方など基本的だけど非常に大切な知識のほか、誰でも知っている当たり前の病気から診断が難しい病気まで非常に様々なことを経験し、学びました。とても充実しており、まだまだ知らないこともたくさんありました。
6年間診療をしている中では、腫瘍の症例がとても多かったので、腫瘍についてもっと深く知りたいと思うようになりました。専門的に勉強して博士号を取ることで治療の幅を広げたいと考え、大学院への進学を決めました。今は研究と実験の毎日です。将来的には、大学の臨床系のポストに就いて、専門的な診療の研究を続けていきたいです。
学部卒業後、動物病院勤務医を経て大学院へ入学する人がだんだん増えています。もし、大学院進学か動物病院勤務かで進路を迷う人がいたら、将来的に臨床をやりたいと考えている人は、まずは動物病院で働いて一般診療を経験するのをお勧めします。まんべんなく一般診療を経験したうえで専門分野を深めたい人は大学院へ進学するのが良いと思います。