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日時 | 2007年10月25日(木)20時40分~23時 | |
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会場 | 岐阜大学応用生物科学部1階 ・ 第101講義室 | |
講演内容 | 教育講演 | 小動物獣医療における浸潤療法 |
症例検討【1】 | 犬の多中心型リンパ腫の抗がん剤治療に伴うチミジンキナーゼ活性値の推移と有用性 | |
症例検討【2】 | 犬胸腔内腫瘍症例の診断と治療のポイント | |
協賛企業 | 東レ講演20分(資料)、インタ-ズー(別刷り、飲料水)、(共立製薬、ウオルサム) |
講師 山添 和明(外科)
近年、小動物臨床においても導入されつつある新たな創傷治療法として湿潤療法が注目されており、ポリウレタンやハイドロコロイドなどのドレッシング材を用いた治療法が商業誌を中心に盛んに紹介されている。今回のセミナーでは昨年度の獣医麻酔外科学会での講演内容から症例を中心に紹介し、湿潤療法に対する現時点での考え方を述べたい。
講師 大場 恵典(内科)
チミジンキナーゼ(TK)活性は、DNA合成においてサルベージ経路に作用する酵素である。すなわち、デオキシヌクレオチド生合成の再利用系に働く酵素で、チミジンがDNA代謝に組み込まれる際、チミジンの1リン酸エステルへの変換を触媒するDNA合成酵素である。このため、TK活性は細胞の分裂増殖がどの程度活発であるかの指標となる。つまり、TK活性は細胞分裂増殖が亢進する疾患において高値となる。特に血液系悪性腫瘍の病勢判定に有用であり、リンパ腫や白血病などで高値を示す。このため、TK活性は、抗がん剤治療のモニタリング、すなわち治療効果および予後の判定の指標に有用な検査であると言われている。今回、抗がん剤にて治療中の犬の多中心型リンパ腫の症例で、血清TK活性値を経時的に測定し、その推移と有用性を検証した。
講師 丸尾 幸嗣(腫瘍科)
胸腔内腫瘍の紹介症例は確実に増加している。以前は進行例が多く、治療ができない場合が多かったが、最近では定期検診で偶然に早期発見することもあり、根治も可能である。
最近の胸腔内腫瘍8症例を紹介する。飼い主さまおよび家族の喫煙との関連、主要症状、画像検査と生検の意義、X線検査のポイント、CT検査のポイント、生検の適応、手術の適応などについて解説する。また、最も一般的な開胸術である肋間切開法と肺葉切除の基本的手技、さらには術後補助化学療法として有望視されているビノレルビンについても言及する。
セミナーにご協力頂いた東レ株式会社から犬のアトピー性皮膚炎治療薬「インタードッグ」市販後の最新情報について紹介があります。
株式会社インターズーのご協力により、教育講演の内容を、J-VET誌 59-63、2007(9)に掲載しています。今後も、臨床セミナーの教育講演の要旨がJ-VET誌に事前(1ヶ月前)に掲載されます。