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日時 | 2008年10月23日(木)20時40分~23時 | |
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会場 | 岐阜大学応用生物科学部1階 ・ 第101講義室 | |
講演内容 | 教育講演 | COX阻害薬と腫瘍性疾患 |
症例検討【1】 | セミノーマの転移を疑う腹腔内巨大腫瘤に対して放射線療法を実施した犬の1例 | |
協賛企業 | メリアル・ジャパン株式会社講演20分(資料、飲料水)、株式会社インターズー(別刷り) |
講師 森 崇(腫瘍科)
極めてCOX-2選択性が高いNSAIDsであるCOX-2阻害薬が、2007年1月に日本で人用に先んじて、犬用コキシブ系NSAID(フィロコキシブ)として発売された。また、人用のコキシブ系NSAID(セレコキシブ)も同じ年の6月にようやく日本発売となっている。これらの発売もあり、選択的COX-2阻害薬については、注目が集まってきている。また、本来の抗炎症作用の他にも、抗腫瘍効果等、様々な作用についての報告もなされるようになっている。そこで、今回は選択的COX-2阻害薬について、以前から用いられているNSAIDであるピロキシカムも含めて、抗腫瘍効果を中心に概説したい。
講師 後藤 淳(腫瘍科)
チワワ、10歳、去勢雄、他院にて2年前に、腫瘍化した腹腔内片側陰睾の摘出を行い、その後2007年12月に原因不明の貧血を認めた。20年3月に腹腔内腫瘤を指摘され、6月にセカンドオピニオンを求めて岐阜大学に来院した。来院時、HCT24%で血液塗抹にて再生不良性貧血が疑われ、X線検査において右側腎臓後方に巨大な腫瘤を認めたため腹部CT検査を実施。CT検査では、血管造影により右腎後方から正中にかけて、腹大動脈を中央に巻き込んだ93×96×54 mmの腫瘤を確認、FNAを行ったところ精細胞由来の悪性腫瘍を疑うとのことであった。そのまま左右より5Gyづつ放射線を対向二門照射した。放射線照射直後より、嘔吐、食欲不振等が見られたが、対症療法により回復したため、その後2週おきに2回、計3回放射線照射を実施した。治療終了後に実施した腹部CT検査では、腫瘍の大幅な縮小を認め、貧血も改善傾向を示した。現在、さらなる腫瘍の縮小を期待し、パクリタキセルの腹腔内投与を行っている。
8時40分より、セミナーにご協賛いただいたメリアル・ジャパン株式会社様より「COX-2選択阻害薬(プレビコックス)について」とのタイトルでご講演があります。
株式会社インターズー様のご協力により、教育講演の内容を、J-VET誌2008年9月号75~80ページに掲載しています。今後も、臨床セミナーの教育講演の要旨がJ-VET誌に事前(1ヶ月前)に掲載されます。