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日時 | 2010年4月25日(日)14時40分~17時 | |
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会場 | 岐阜大学応用生物科学部1階・多目的セミナー室 | |
講演内容 | 教育講演 | ネコからヒトへのトキソプラズマ感染を防ぐために飼い主さまに説明すべきこと -ネコとの幸せな生活をお手伝いするために- |
症例検討【1】 | アンジオテンシン変換酵素阻害薬とスピロノラクトンを併用した 僧帽弁閉鎖不全臨床例の犬における血漿カリウム濃度と心臓陰影サイズ |
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症例検討【2】 | ビンブラスチンとイマチニブを併用し、手術不適応な肥満細胞腫の治療を行った犬2症例 | |
協賛企業 | メリアル・ジャパン株式会社20分(資料、飲料水)、株式会社インターズー(別刷り) |
講師 高島 康弘 (内科)
トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)はほとんどすべての哺乳類や鳥類に感染する原虫であるがネコ科動物のみが環境中に虫体を排出する。このため、本原虫は「ネコの寄生虫」と認識されることも多いようである。しかしトキソプラズマに感染したネコが発症することは稀で多くの場合は無症状で推移するため臨床家にとってトキソプラズマ感染症はあまりなじみのある感染症ではない。むしろネコにおけるトキソプラズマ感染の重要性はヒトへの感染源になりうるという点にある。ことに妊娠中や免疫不全のヒトが感染すると重篤な問題がおこることがあるので注意が必要になる。このような背景からか、古くからの言い伝え(?)として「妊婦はネコを飼うべきではない」などといった声を耳にすることがあり、妊娠中や妊娠を希望されている愛猫家を悩ませているようである。しかしいくつかの点に気をつければネコからの感染を防ぐことは十分可能であり、飼い主さまやその家族が妊娠したからといって必ずしも愛猫と別居しなければならないわけではない。本稿ではネコからヒトへのトキソプラズマ感染を防ぐためにすべきこと、そのために臨床獣医師は何をすべきか考えてみたい。
講師 佐々木 慎哉 (内科)
自然発症の僧帽弁閉鎖不全犬54例において、アンジオテンシン変換酵素阻害薬とスピロノラクトンの長期併用時における高カリウム血症の発現の有無を検討するとともに、胸部レントゲン心臓陰影サイズの経時的変化をvertebral heart sizeにより評価した。
講師 山田 名美 (腫瘍科)
肥満細胞腫は犬の皮膚腫瘍の7-21%を占める一般的な腫瘍であり、Patnaikのグレード分類において、グレードⅠ、Ⅱに含まれる肥満細胞腫は多くが手術により効果的にコントロールできるが、マージンが十分に取れない場合は術後の補助療法が推奨されている。特にグレードⅡの一部とグレードⅢの肥満細胞腫の多くは局所再発や転移が起こる可能性が高く、放射線療法・化学療法の重要性が認識されている。肥満細胞腫に対してこれまで様々な化学療法プロトコールが報告されているが、ビンブラスチンとイマチニブを併用して治療を行った報告は少ない。そこでこのたび、手術不適応な肥満細胞腫の犬にビンブラスチンとイマチニブを併用したプロトコールを用いて治療を行った2症例についてその効果と副作用について報告したい。
14時40分より、セミナーにご協賛いただいたメリアル株式会社様より、『メリアルベッツクラブ』開業動物病院様への支援コンテンツのご紹介とのタイトルでご講演があります。
株式会社インターズー様のご協力により、教育講演の内容を、J-Vet誌2010年4月号に掲載しています。今後も、臨床セミナーの教育講演の要旨がJ-Vet誌に事前(1ヶ月前)に掲載されます。