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日時 | 2012年7月22日(日) 14時~17時 | |
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会場 | 名古屋市獣医師会館 | |
講演内容 | 教育講演 | 臨床獣医師のための放射線治療の知識 |
症例検討【1】 | 末梢神経鞘腫瘍5症例の臨床的特徴と画像所見 | |
症例検討【2】 | 術前放射線治療によって切除が可能となった肺腺癌の一例 | |
協賛企業 | 株式会社モノリス、株式会社インターズー |
講師 森 崇(腫瘍科)
ここ最近の放射線治療技術の進歩はめざましく、がん治療において放射線治療はなくてはならないものになっている。しかし獣医領域における放射線治療に関する情報は限られており、そのメリットを十分に利用しているとはいえない状況である。今回のセミナーでは、放射線治療を行うことが多い疾患に加え、今まであまり放射線治療の対象とはなっていなかった症例の紹介や、現在当院で行っている放射線治療の考え方なども含めて概説したい。
講師 神志那 弘明(神経科)
末梢神経鞘腫瘍は比較的多く遭遇する神経腫瘍であるが、外科的な治療が行われる時点では、腫瘍が脊柱管内に浸潤していることが多い。本発表では、我々が末梢神経鞘腫瘍と診断した犬4例と猫1例における、臨床症状、経過、画像所見の特徴について報告する。腫瘍は3例では腕神経叢に発生しており、すべて片前肢の跛行から症状が発現していた。残りの2例では頭側頸髄神経から腫瘍が発生しており、頸部痛やふらつきが初期症状であった。単純レントゲン検査において、4例では椎間孔の拡大が認められた。確定診断には高次検査が必要であるが、症状やX線画像所見の特徴を理解することにより、本腫瘍の早期の診断および治療が可能になると思われる。
講師 山崎 美史(腫瘍科)
犬の孤立性肺腺癌では外科的切除が治療の第一選択である。しかし何らかの症状を認めて発見された場合には、ほとんどが進行症例であり、実際には切除困難な症例が多い。一方放射線治療は、放射線肺炎を起こしやすいこともあり、現在まで獣医領域での報告はない。今回我々は切除困難と判断された巨大な孤立性肺腺癌に対し、3次元原体照射を用いた放射線治療を行ったところ、重篤な放射線肺炎を起こすことなく縮小し、切除可能となった症例に遭遇した。そこで本発表では、この症例のたどった治療経過と放射線が及ぼす影響との関連について検討したい。
14時より、本セミナーにご協賛いただく株式会社モノリス様から「V-BTAの活用方法」のご講演があります。
株式会社インターズー様のご協力により、教育講演の内容をJ-VET誌 に掲載します。本教育講演の要旨はJ-VET誌2011年6月号51~55ページに掲載しています。今後は、臨床セミナーの教育講演の要旨がJ-VET誌に事前(1ヶ月前)に掲載されます。