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日時 | 2013年1月27日(日) 15時~18時 | |
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会場 | 岐阜大学講堂 (いつもと会場が異なります。ご注意ください) 拡大図を見る | |
講演内容 | 教育講演 | 猫の難治性歯肉口内炎の治療 |
症例検討【1】 | 下垂体腺腫に対する寡分割3次元原体照射による放射線治療の予備的検討 | |
症例検討【2】 | 全身性エリテマトーデスに無菌性結節性脂肪織炎を併発したイヌの1例 | |
協賛企業 | メリアル・ジャパン株式会社、株式会社インターズー |
講師 渡邊 一弘(外科)
猫の難治性歯肉口内炎は,猫にみられる歯肉・口腔粘膜の慢性炎症性疾患である。本疾患に対する治療法は, スケーリング,抗菌薬,免疫抑制剤の投与などがあげられているが,いずれも完治が難しく,現在のところ,全臼歯あるいは全顎抜歯が最も効果的とされている。しかしながら,猫の抜歯の多くは外科的抜歯が適応され,技術的,設備的問題,外科的侵襲と麻酔という猫への身体的負担,飼い主の経済的負担といった問題がある。このようなことから,猫の難治性歯肉口内炎の治療法として飼い主により手軽に症状を軽減できるサプリメントであるエステル型脂肪酸複合体esterified fatty acid complex(EFAC)の塗布による治療法を検討している。今回は,このEFACと全臼歯抜歯の手術法を紹介する。当日は,東京医研(株)より販売のEFACである「eFace-V」のサンプルも配布する。
講師 森 崇(腫瘍科)
Kentらの報告によれば、下垂体腺腫に対する放射線治療は、重篤な副作用なしに予後を大幅に改善することができる。しかし、この報告で用いられている照射プロトコールは、総線量48Gyを16分割し連日照射するものであり、患者に対する麻酔の負担、および費用面で問題があると思われる。そこで私達は、患者の負担と費用面の問題を改善するため、寡分割週一回照射とし、さらに3次元原体照射とすることで、寡分割による副作用の問題に対応している。
放射線治療後の下垂体腺腫は、比較的長期経過をたどるため、今回は予後については十分な検討ができないが、本照射プロトコールの安全性および短期的な効果について、Kentらの報告と比較検討してみたい。
講師 秋山 智(内科)
全身性エリテマトーデス(SLE)は多臓器をおかす免疫介在性疾患であるが、症例の約50%において、紅斑、鱗屑、痂皮、色素脱失および脱毛などの皮膚症状が認められる。無菌性結節性脂肪織炎(SNP)は皮下組織に結節を形成する免疫介在性疾患であり、SLEに認められる一般的な皮膚疾患ではないが、我々はSLEにSNPを併発した症例に遭遇したため、その概要を報告する。症例はミニチュア・ダックスフント、10歳齢、避妊雌であり、3週間前からの元気消沈および食欲低下を主訴に来院した。発熱、肝酵素値の上昇およびCRPの上昇が認められ、プレドニゾロンおよび抗生剤の投与によって改善が認められた。しかしながら、初診から1ヶ月後には、発熱および元気消失のほか、皮下結節、瘻孔、白血球増多症、貧血、蛋白尿および関節炎などの症状が認められるようになった。そのため、プレドニゾロンの投与を再開したところ、症状は改善傾向にあったが、3日後に突然死した。講演では、本症例の詳細な臨床経過を示しつつ、予想される病態について概説したいと考えている。
15時より、本セミナーにご協賛いただくメリアル・ジャパン株式会社様から「2013年 フロントライングループ 製品プロモーション」のご講演があります。
株式会社インターズー様のご協力により、教育講演の内容をJ-VET誌 に掲載します。本教育講演の要旨はJ-VET誌2012年12月号81~86ページに掲載しています。今後は、臨床セミナーの教育講演の要旨がJ-VET誌に事前(1ヶ月前)に掲載されます。