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日時 | 2013年4月21日(日) 14時~17時 | |
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会場 | 名古屋市獣医師会館 | |
申し込み方法 | 当日受付のみ(参加費は無料) | |
講演内容 | 教育講演 | 周術期の体温管理 |
症例検討【1】 | 貧血診療のピットフォール-たかが貧血,されど貧血 | |
症例検討【2】 | 猫の骨軟骨腫症の一例 | |
協賛企業 | 日本光電株式会社、株式会社インターズー |
講師 岐阜大学動物病院 麻酔科 柴田 早苗
麻酔を行うと、体温調節中枢が抑制される。これに麻酔薬そのものによる血管拡張作用が加わって各部位で温度の再分布が生じ、中枢温が低下する。また熱産生や放散の不均衡によって、体温はさらに低下する。このような体温低下に対して適切な加温や保温を行わないと、麻酔覚醒時には低体温に陥ってしまう。周術期の低体温は動物にさまざまな影響を与えると考えられており、覚醒遅延、激しいシバリング(ふるえ)による酸素消費量の増加、術創感染の増加、入院期間の延長、心臓血管系合併症の増加、出血量の増加などが挙げられる。そのため我々獣医師は、麻酔中の呼吸・循環管理のみならず体温管理にも十分な注意を払うべきである。現在入手可能な加温・保温法としては、輸液加温法、温風加温法、温水循環式加温法、カーボンファイバー式保温法がある。これに加え、アミノ酸輸液による周術期低体温が予防できることも明らかになってきた。本講演では体温の生理学について簡単に紹介し、実際の周術期体温管理について述べたいと思う。
講師 岐阜大学動物病院 血液内科 鬼頭 克也
本科に紹介される貧血症例の多くは,難治性で,PRCA/NRIMA,IMHAなど免疫介在性の疾患が多い。また,ACDなど診断そのものに苦慮する貧血もある。一方,治療経過を見ると,エリスロポエチン,鉄剤あるいはグルココルチコイドが投与されているケースが多い。これらの薬剤は本当に必要なのか,あるいは使い方はこれでよいのか?症例の診療経過をみながら貧血診療のピットフォールについて考えてみたい。
講師 岐阜大学動物病院 腫瘍科 藤田 誠司
猫の骨軟骨腫症は、発生元の骨と連続した孤在性あるいは多発性の嚢胞状の骨腫瘤病変として認められる良性腫瘍である。若齢で発生し、成長の停止とともに増大が停止する犬におけるものと異なり、骨格の成熟後に発生し、進行性に増大する。また、発症にはレトロウイルスとの関連が知られている。 臨床的には悪性の挙動をとり、軟骨キャップから生じる軟骨内骨化の拡大による周囲組織の圧迫に伴って進行性の疼痛や機能障害が生じ、これらは時に致死的となる。また、骨肉腫や軟骨肉腫への悪性転化を起こす事があると言われ、その予後は要注意である。治療法としては一般に緩和的切除が適用されるが、発生状況から切除不能な事も多く、そのような症例に対する効果的な治療法は報告されていない。今回我々は骨軟骨腫症と診断した猫に対してメガボルテージ放射線治療を行い、局所制御が可能であったため、その概要を報告する。
14時より、本セミナーにご協賛いただく日本光電株式会社様から「モニターパラメータの活用」のご講演があります。
株式会社インターズー様のご協力により、教育講演の内容をJ-VET誌 に掲載します。本教育講演の要旨はJ-VET誌2013年3月号71~76ページに掲載しています。今後は、臨床セミナーの教育講演の要旨がJ-VET誌に事前(1ヶ月前)に掲載されます。