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日時 | 2014年2月16日(日) 15時~18時 | |
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会場 | 岐阜大学大学院連合獣医学研究科6階合同ゼミナール室 (いつもと会場が異なります。ご注意ください) 拡大図を見る |
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申し込み方法 | 当日受付のみ(参加費無料) | |
講演内容 | 教育講演 | トイ・プードルと小型Mix犬に発生する肝内シャント |
症例検討【1】 | 胆嚢摘出術における総胆管フラッシュ術とオッジ筋切開術 | |
症例検討【2】 | 唾液粘液嚢胞(唾液瘤)の治療法 | |
協賛企業 | 株式会社 ダブリュ・アイ・システム、株式会社インターズー |
講師 岐阜大学動物病院 鷲巣誠
門脈がさまざまな短絡血管を経由して大静脈に短絡する門脈体循環シャントの診断・治療は,現在多くの動物病院で実施されようになってきた。静脈管遺残に関連する肝内シャント(肝内PSS)は一般的に肝内PSSであり大型犬に多く発生する。著者が経験した1999 ~ 2011 年におけるPSS 症例339 頭における肝内PSS症例の割合は4%であったが、2011 ~ 2013年のPSS 症例35 頭における肝内PSS 症例の割合は18%であり、近年肝内PSS 症例の割合が増加してきている。2011 年までの症例では,肝内PSS 症例のほとんどは大型犬であったが,2011 ~ 2013年での肝内PSS症例はすべて小型犬であり,そのほとんどはレッドあるいはブラウンといわれる毛色のトイ・プードルで発生していた。今回の講演では5症例のトイプードルの肝内PSS症例の概要と肝内シャント血管結紮術および術後経過を概説する。
講師 岐阜大学動物病院 鷲巣誠
胆嚢疾患は近年急増した消化器疾患の一つである。胆嚢に泥状物質が蓄積する胆泥症そして胆嚢壁から過剰なムチンが分泌される胆嚢疾患の末期と考えられる粘液嚢腫までの胆嚢異常が10才齢前後で多くの犬で認められる。胆嚢収縮の異常を引き起こす様々な要因が胆嚢疾患を引き起こす引き金となるが、数十年前にはほとんど認められなかった疾患である。胆嚢摘出術を安全に実施する方法が教科書的に十分に記載されていないため多くの獣医師が胆嚢摘出術を躊躇している可能性がある。今回は様々な胆嚢摘出症例を用いて術式をわかりやすく解説する。
講師 岐阜大学獣医外科学研究室 渡邊一弘
唾液粘液嚢胞(唾液瘤)とは,唾液腺やその導管が傷害を受け,唾液が漏出して周囲組織へ貯留したもので,内腔には上皮がなく,結合組織の被膜で包まれている.そのため,嚢胞ではなく唾液瘤ということもある.犬に多くみられ,猫は少ない疾患で,原因は不明な点が多く,鈍的外傷や異物,唾石などがまれに確認される.この疾患は発症部位によって,舌下腺由来の頸部粘液嚢胞(頸部腹側あるいは下顎間),舌下部粘液嚢胞(ガマ腫:口腔内の舌下組織),咽頭部粘液嚢胞(咽頭壁の粘膜下組織),頬骨腺由来の頬部粘液嚢胞(眼窩周囲)に分類され,無痛性ではあるが,それぞれの発症部位において波動性腫脹があり,これによる症状が認められる.治療法は唾液腺を切除することであるが,それだけでは治癒しないこともある.
今回は,唾液粘液嚢胞がみられた犬と猫の症例を紹介し,診断と手術法,演者の治療方針を示す.
15時より、本セミナーにご協賛いただく株式会社 ダブリュ・アイ・システム様から「ベジタブルサポートの機能性」のご講演があります。株式会社インターズー様のご協力により、教育講演の内容をJ-VET誌 に掲載します。本教育講演の要旨はJ-VET誌2014年1月号に掲載します。今後は、臨床セミナーの教育講演の要旨がJ-VET誌に事前(1ヶ月前)に掲載されます。