過去のセミナーの資料をご覧いただけます。
日時 | 2014年4月20日(日) 14時~17時 | |
---|---|---|
会場 | 名古屋市獣医師会館 | |
申し込み方法 | 当日受付のみ(参加費無料) | |
講演内容 | 教育講演 | 臨床獣医師と病理学的検査 ~細胞学的検査を中心に~ |
症例検討【1】 | 骨腫瘍に対する放射線治療の疼痛緩和効果 | |
症例検討【2】 | 犬猫用ステロイド系麻酔薬アルファキサロンの臨床的有用性について | |
協賛企業 | 共立製薬株式会社、株式会社インターズー |
講師 岐阜大学動物病院 腫瘍科 村上麻美
近年伴侶動物の高齢化に伴い腫瘍の発生率は増加している。腫瘤に対する治療の現在の治療の流れとしては、臨床検査、画像検査、細胞診やコア生検での術前検査、術後予後判定、術後治療の判定である。それゆえ、病理組織学的検査や細胞学的検査の重要性は増すばかりである。しかしながら、その重要性は知りつつも、学生時代の苦手意識から敬遠されている臨床獣医師も多いと思われる。また、病理組織検査の結果で、マージンについてなどの今後の治療方針に必要な項目が記載されていない場合もあるであろう。そのようなときには病理検査会社に問い合わせる必要性が出てくるが、苦手意識がある故に問い合わせが出来ない方もいるであろう。しかし、恐れずに問い合わせてもらい、自分が行った検査の結果を患者に伝えるべきだと考えている。そのために、今一度苦手意識を取り去り、先生方が“慣れ”るためにも最低限の知識について解説したい。
講師 岐阜大学動物病院 腫瘍科 伊藤祐典
犬の骨腫瘍は原発性骨腫瘍と転移性骨腫瘍に大別される。四肢の骨肉腫等では手術が実施されるが、手術を希望されない場合や手術が適用できない症例に遭遇する機会も多い。このような場合には緩和治療がなされるが、骨腫瘍は骨の破壊を伴い、強い疼痛を伴うため、QOLの低下は著しい。疼痛緩和を目的には鎮痛剤が使用されるが、その効果はそれほど高いものではない。放射線治療は骨腫瘍に対して疼痛緩和効果が証明されている。今回我々は岐阜大学動物病院腫瘍科に来院した骨腫瘍罹患犬に対して放射線治療を実施した症例の回顧的検討を行った。多くの症例で放射線治療後早期に疼痛緩和効果が得られ、疼痛緩和を目的とした放射線治療の有用性が示された。骨腫瘍に対する緩和的放射線治療の利用するにあたり、放射線照射回数や留意点について考察したので報告する。
講師 岐阜大学動物病院 麻酔科 柴田早苗
アルファキサロンは新しい犬猫用麻酔注射剤であり、犬および猫における吸入麻酔薬による全身麻酔時の麻酔導入薬として、我が国では平成25年12月25日に承認を受けた。本剤はプロポフォールと同様に、γ-アミノ酪酸サブタイプA(GABAA)受容体を活性化し、Clイオン流入を増加させることによって活動電位の発生を阻害し、麻酔効果を発揮する。アルファキサロンは麻酔導入および覚醒が速やかであり、呼吸器および循環器への影響が最小限であるとされている。そのため、アルファキサロンはプロポフォールに変わりうる麻酔導入薬として期待されている。本発表では、アルファキサロンを麻酔導入薬として使用した数症例における麻酔経過を紹介するとともに、本剤の有用性を検討する。
14時より、本セミナーにご協賛いただく共立製薬様から「アトピカの紹介」のご講演があります。株式会社インターズー様のご協力により、教育講演の内容をJ-VET誌 に掲載します。本教育講演の要旨はJ-VET誌2014年3月号に掲載予定です。