岐阜大学動物病院

病院紹介

医療設備:検査

超音波検査室

当院には、カラードプラ、超音波造影およびエラストグラフィーを備えた最新の超音波診断装置(日立メディコ、HI VISION Preirus)およびポータブルタイプ超音波診断装置(日立アロカメディカル、Noblus、GEヘルスケア、LOGIQ e Premium)の3台を完備しています。

超音波検査は麻酔などの特別な処置を必要とせず、体内で生じている臓器の異常を迅速に検出できるという利点があります。特に、心臓疾患では通常のレントゲン検査では判断が難しい先天性心疾患を確定診断できるほか、近年増加傾向にある腫瘍性疾患に関しては、超音波検査で得られた情報をもとに治療方針が決定される場合が数多くあります。
超音波検査中は、動物にストレスを与えることのないよう心がけております。

また、飼い主さまへの説明および臨床教育用に、別途大型モニタも設置してあります。

X線CT撮影室、操作室

CT検査は、私達に体の断面を精巧な画像として見せてくれます。同じX線を使用するレントゲン検査では、透かし絵として体の中を見ていることから、病変の 細かい形状や部位を知ることが困難です。現在、2台のCT撮影装置(東芝メディカルシステムズ、Alexion AccessおよびAlexion Advance)が稼働しており、短時間で体のどの方向の断面でも見ることができます。また、CTガイド下生検なども積極的に行なっております。

また、3D画像処理ワークステーション等(AZE Virtual Place および OsiriX)によって高度な3D画像を構築することも可能です。CT撮影装置の導入により、以前は発見できなかった異常を見つけることができるようになり、また、あらかじめCT検査をすることでより安全に手術を行えるようになっております。

MRI検査室:MRI(核磁気共鳴画像)装置

MRI(核磁気共鳴画像)検査は、X線を用いるCT検査とは異なり磁力と電波によって体内を画像化するため放射線を被曝する危険性がありません。さらに骨によるアーティファクトがX線CTに比べて少ないため、骨に囲まれた脳や脊髄などの組織の描出に特に優れています。しかしその一方、撮像時間がCT検査と比較して長いため(10数分から1時間程度)、 動物に麻酔を長時間かける必要性があります。

岐阜大学附属動物病院では、3.0Tの超電導型MRI装置(Achieva 3.0T:フィリップス)が稼働しています。これまでの低磁場MRI装置と比べ、検査時間が圧倒的に短くなり、麻酔時間も大幅に短縮できるため、動物にも優しい検査が可能になりました。通常の検査に加え、神経や血管の走行を見たり、組織の成分の解析などが出来るようになり、より詳細な診断が可能となりました。

内視鏡検査室

近年、腫瘍や原因不明の炎症によって嘔吐や下痢などの消化器症状を示す症例が増加しております。内視鏡検査はX線や超音波検査では評価が困難な消化管内部の異常を早期に検出できるほか、病理組織学的検査用のサンプルを非侵襲的に採取できることが大きな特徴となっております。

第一検査室

血液、血液生化学、尿検査などの臨床病理学的検査を行うためのスペースです。ルーチン検査で活用する血球計数器、ドライ式生化学分析装置および血液凝固解析装置、CRP測定装置、顕微鏡、血液ガス分析装置などの他に、自動蛍光免疫測定装置を備え、甲状腺、副腎皮質および性腺由来ホルモンの血中濃度を迅速に測定することで皮膚疾患や内分泌疾患あるいは免疫性疾患の診断に役立てています。

また、臨床教育用に大型モニターを設置してあります。

第二検査室

第二検査室では、細胞診など病理学的検査を行います。止血機能検査機器では、人医療分野でも国内でまだ数台しか導入されていないコンピューター制御トロンボエラストグラフ,、インピーダンス式血小板凝集能測定装置を備え、ウエット式血液凝固時間分析装置も活用して、専門医による止血異常の診断、治療を行っております。また、血友病など先天性止血異常の動物に成分輸血を行うための遠心機を整備してあります。

X線・画像解析室

診療棟の新設に伴い、コンピュータでの画像解析を可能とした最新のX線撮影システムを導入しました。

従来のフィルム式とは異なり現像の必要がなく、撮影後直ちに各診察室に設置してある電子カルテ用コンピュータで画像読影ができます。また、これまでに撮影した画像は病院内の専用サーバーにすべて保存され、必要に応じていつでも読み出すことが可能です。

分子生化学・遺伝子検査室

高度先進機能病院として、地域の獣医師会から依頼される難治性疾患に対する分子生物学的な診断や治療に対応するための施設です。遺伝子増幅装置、クリーンベンチ、安全キャビネット、炭酸ガス培養器などを備え、分子レベルでの診断と病態解析を行っています。

また、フローサイトメーターを用いた細胞解析法を腫瘍、免疫あるいは血液疾患などの診断や治療効果の判定に活用しております。