診察、検査、手術の見学はいつでも歓迎します。
見学希望の旨、事前にご連絡ください。
定期的に来学される方、見学だけではなく実際の診療や手術に参加し勉強したい方は、当院の獣医師研修制度をご利用ください。
研修は月~金の診療時間内であれば、いつでも可能です。
ご都合の良い日に来てください。
研修を希望される方は事前に書類の提出が必要です。
初期研修プログラムには研修費用(6,480円/月)がかかります。詳しくはお問い合わせください。
研修では下記の研修プログラムに沿って、体系的にトレーニングを行いますので、修了時には小動物神経疾患の基礎的な診断技術が身に付きます。
また後期研修プログラムを修了すれば、一般的な神経外科を含む実践的な治療技術を習得することができます。
岐阜大学動物病院神経科の研修プログラムは初期研修プログラムと後期研修プログラムから構成されています。集中的に研修を受けることで短期間でも優れた診療能力を身につけることができます。初期研修獣医師は随時募集しています。後期研修獣医師の募集状況についてはお問い合わせください。
研修獣医師として当診療科に在籍し、実際に診療に参加しながらトレーニングを受けます。多くの研修獣医師は、近隣の動物病院に勤務しながら、各自のペースで定期的に大学に通っています。初期研修プログラムでは、神経疾患症例の診療の基礎を身につけることが目的です。神経組織の生理学や解剖学についてレクチャーを通じて学習しながら、実際の診療に参加するので、それらの知識を症例の診断や治療の中でどのように活用するのかが理解できます。診断においては、神経学的検査と神経症候学的なアプローチにより疾患の病態把握と局在診断ができるようになります。
以下の内容のレクチャーを受講して頂きます。
タイトル | 内容 | |
---|---|---|
1 | 神経の発生学 | 神経組織の発生学 |
2 | 脳の機能解剖学 | 脳の機能解剖、血管支配、脳神経の機能解剖 |
3 | 脳疾患の診断 | 神経学的検査による脳疾患の診断法 |
4 | 脊髄の機能解剖学 | 脊髄分節、血管支配、支持組織 |
5 | 脊髄疾患の診断 | 神経学的検査による脊髄疾患の診断法 |
6 | 脊椎の解剖学 | 椎骨の解剖、傍脊柱筋 |
7 | 神経画像診断の基礎 | CT, MRIの原理、アーティファクト、読影基礎 |
8 | 末梢神経と神経筋接合部 | 末梢神経と神経筋接合部の機能解剖 |
9 | 末梢神経と神経筋接合部の診断 | 神経学的検査による末梢神経疾患の診断法、電気生理学的検査の基礎 |
神経科の勤務獣医師として在籍し、さらに主体的に診療に参加しながらトレーニングを受けます。後期研修プログラムでは、症例の担当医として、診察の全行程を責任を持って実践することで、Veterinary neurologistとして独り立ちできる知識と技術を習得することが目的です。診断技術においては、神経症候学的診断、画像診断、電気生理学的診断について指導を受けます。治療においては、特に外科適応症例の判断、外科手技の選択、外科手技の実施能力について指導を受けます。
私は、昨年度から神経科の研修医として1ヶ月に2回程通わせて頂いています。臨床獣医師として5年目になりますが、なかなか一次診療では神経疾患の症例を確定診断できないことが多く、診断までのアプローチも曖昧で困っていました。また私自身、神経疾患への苦手意識を持っていました。しかし、2年間通わせて頂き曖昧だった部分が少しずつわかるようになり、一次診療で悩んだ症例の相談に乗って頂くこともあり、日頃の診療に大変役立っています。また、脳外科を初めとした一次診療では見る事の少ない手術にも助手として立ち合わせて頂き、貴重な経験を積ませて頂いています。岐阜大学動物病院で学んだことを一次診療に持ち帰り少しでも多くの症例に役立てていきたいです。そして、獣医師同士で知識を共有し、アドバイスし合える環境作りの一途になればと思います。
私は酪農学園大学を卒業後、1年間新潟の1次病院で勤務し、卒後2年目から岐阜大学動物病院神経科で研修をスタートしました。在籍して4年間、日々勉強で、充実した毎日を過ごしています。後期研修医として在籍している中で、魅力と感じた点をいくつかご紹介したいと思います。
他の先生方と比べて臨床経験が浅いこともあり、最初はやっていけるかどうか不安でしたが、先輩・教員の先生方にしっかりとしたフォロー体制を整えていただくことで診療に積極的に参加でき、着実に経験を積むことができました。
実際の臨床現場では教科書通りにいかないことも多く、診断・治療に苦慮する症例は少なくありません。そのような症例に対しては、複数の獣医師でディスカッションし、最善の方法は何かを考えます。担当の症例だけでなく、他の獣医師が担当する症例についても情報を共有し、一緒に考えることで、視野が広がり、知識も深まります。
神経科では既存の検査法・治療法にとらわれず、新しいアプローチ法にチャレンジしています。神経疾患の中には診断や治療が困難な疾患も多いですが、診断・治療が「既存の方法では難しいから」と諦めるのではなく、「どのようにすれば解決できるか」を常に考え、それを実践できる環境が整っています。
毎日の診療で得た知識や経験を、学会発表や論文という形で外部へ発信もしています。学会発表や論文執筆を通して、プレゼンテーション能力や論理的な思考が身につくと思います。
院内は気軽に他科の先生方とコミュニケーションをとることができる雰囲気があり、他科との連携もスムーズです。診療科間の“しがらみ”はほとんどなく、 必要な時に助け合えることも魅力のひとつです。
神経疾患に興味があり、ステップアップしたいという先生方にとってはとても整った環境だと思います。ぜひ一度見学にいらしてください!